子供の歯ブラシの事故

歯ブラシ事故の報告例

 意外と思われるかもしれませんが、歯ブラシを使っていての不慮の事故が毎年起こっています。

事例1 歯ブラシを口に入れたまま歩き回り転倒。転倒時にタンスにぶつかり、喉に歯ブラシが刺さった。 (2歳 5日間入院)

事例2 仕上げみがきの後、歯ブラシをくわえたままソファーで寝ていたが、母が目を離したすきにソファーから転落。 口腔内に歯ブラシが刺さって出血 (1歳 5日間入院)

事例3 床に座って自分で歯ブラシを持って歯をみがいていた時に前方に倒れた。床はフローリング。 歯ブラシは折れていなくて、先に血が付いていた。 (1歳 8日間入院)

事故の起こりやすい年齢と原因

 国民生活センターの調べでは、年齢別の受傷件数では、1歳台の転倒が最も頻度が高くなっています。

 事故要因を年齢別に割合で見ると1~2歳台で「転倒」が受傷要因の6割を超えていて、4~5歳台では「ぶつかる」の割合が多くなっています。

事故を防ぐために

• 事故の危険性が高い3歳半までは、安全対策を施された歯ブラシを選ぶようにする。
• 安全対策を施された歯ブラシを使用する場合でも保護者が必ず見守る。
• 子供が使用する歯ブラシは安全性を重視し、保護者が仕上げみがきで使用する歯ブラシと使い分けをする。
• 歯みがきは床に座って行う(歯みがきをする時には動き回らせず、ぶつかったり、転倒を防止する)。
• 歯みがきを行う場所、生活環境を見直し、子供に対する事故のリスクを低減させる。(踏み台、ソファー、椅子などの不安定な場所で歯みがきをしない。洗面台に届かない時には、うがいをする時だけ踏み台を使用し、歯ブラシを置いてから踏み台に乗る)。
• 歯ブラシだけではなく、箸やフォークなど、喉突きの危険性のある日用品にも注意する。

安全対策された歯ブラシ

1歳までは、下の図のようなリング状の歯ブラシや傘のついたものがあります。

 また、1歳以上の子供さんには下の図のような左右に曲がる歯ブラシもあります。

 歯ブラシという、歯科医療者にとってとても大切な道具で、このようなことが起こることは大変悲しいことです。

 ぜひとも気を付けてください。