噛みしめとスポーツ 2

弓道と噛みしめ

 ある調査では、前述のラグビーのスクラムとは違い、弓道では嚙みしめない選手がほとんどでした。あえて嚙みしめながら行射を行っても噛む筋肉の活動以外に噛みしめが影響が出ることはありませんでした。

 ただ、被験者に嚙みしめながら弓を引いた場合の感想を聞くと,楽に引けるようになったような気がするという者も何名かいて、少なくとも弓を引く動作に関しては嚙みしめが悪影響を及ぼすことはなさそうです。

離れ(発射)と噛みしめ

 弓を引く動作に続いて行われる「離れ」(発射)では,すばやい動作がもとめられます。

 嚙みしめをしない時と噛みしめをした時を比べると、嚙みしめをしない時のほうが左右とも手の動きが速く、肘の開き具合も嚙みしめない時のほうが早く開くのがあきらかになっています。

 弓道における離れの良し悪しは手一般的に鋭い離れが良いとされているので,速度の減少はネガティブな影響であると考えていいのではないでしょうか。