彼岸花に触ると歯が抜ける
彼岸花は怖い花?
彼岸花、別名マンジュシャゲ(曼珠沙華)、天上の花という意味があるそうです。そのほかには、死人花、地獄花、幽霊花、狐花といった別名もあります。「彼岸」=「あの世(死)」から不吉な言葉をイメージする別名がたくさんあるようです。
毒があるから植えられている?
とはいえ、彼岸の時期には、畦(あぜ)、墓地など必ず咲いてくれ、秋を感じさせてくれる馴染みのある花ではないでしょうか。
ところで彼岸花は畔や墓地に自然に群生しているのではないようです。彼岸花には毒があります。そのために水田や畦に植えられているのは、球根の毒によりネズミやモグラを撃退して作物を守るために植えられたもの。
墓地に植えられてきたのは埋葬した亡骸が動物によって掘り返されるのを防ぐため、
また、その毒性から虫除けになるからという理由があったようです。
「彼岸花に触ると歯が抜ける」は、迷信
さて、「彼岸花に触ると歯が抜ける」ですが、まったくの迷信です。
恐らく花・葉・茎・根(球根)の全てに毒があるので、子供に触らせないようにそんな迷信があったのでしょう。
彼岸花には、ほかにもさまざまな迷信もあります。
彼岸花を家に持ち帰ると火事になる。
彼岸花を摘んで帰ると死人が出る。
などもうかつに子供が毒のある彼岸花をつまないためのものでしょう。
ちなみに 彼岸花の毒は水溶性で、飢饉があったときは、彼岸花の球根を砕いて水に晒して毒を抜いて食べたそうです。でも現代ではそんな勇気は持たないほうがいいと思います。眺めて秋を感じるだけにとどめておきましょう。