キシリトールガム

1997年に初めてキシリトールを配合したガムが発売されて以降,キシリトールの一般認知度が飛躍的に高まりました。
キシリトールが齲蝕予防に効果があることを70%の人が知っているようです。

キシリトールは白樺やトウモロコシの穂軸から作った天然素材甘味料で、砂糖とほぼ同じ甘味ですが、口に入れると清涼感があります。

さて、食品に甘みをつけるために使われる調味料を甘味料といい、砂糖の替わりに用いる甘味料を代用甘味料といいます。
現在使用されている甘味料は、大別すると糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分けられます。キシリトールは、このうちの糖質系甘味料のなかまで、糖アルコールというものです。同じ仲間に缶詰、歯磨剤や含嗽剤,燃料電などに保香剤保湿剤として使われているソルビトールがいます。
糖アルコールは消化吸収されにくく,大腸に達するとその浸透圧を高めて水の吸収を阻害するため,緩下作用(下痢)を起こします。これが糖アルコールの最大の欠点であり,キシリトールも大量に摂取すると一過性の下痢になります。
甘味料を多く使うキャンディーで、キシリトールをはじめ糖アルコールが主成分のものをほとんど見ないのはこのためです。
でもガムを食べる程度であれば問題ありません。

う蝕発生発生の抑制に関するキシリトールの効果をお話しします。
キシリトールは虫歯をつくるミュータンス菌に酸を作らせないこと,プラークの形成を抑制すること、プラークの歯面への付着を抑制することなどがよく知られています。
さらにキシリトールの長期食べていると酸産生能を有するミュータンス菌を減少させます。

う蝕抑制については、キシリトールだけではなく他の糖アルコールも同じような性質と考えている人たちと、キシリトール固有の性質と考えている人たちがいます。

どちらが正しいかは、もう少し検証をまちたいところですが、いずれにせよ無糖チューインガム 2~3 g を、食後少なくとも 1 日 3 回、20 分間噛むと効果があるので、3歳以上の人はやってみてはいかがでしょうか。